快晴の休日。どこかへ出かけるには絶好日和な日。そんな日に、あるアパートへ足を運んだ少女がいた。 「ククク…マた来てしマいましタよ……おヤ、あれハ…?」 以前ここへ来てからというもの、鳴滝荘の事が気になっていた部長さん。 そんな彼女が再びここへ来てしまいました。 そこに、大きな段ボール箱を持っている、制服姿の1人の少女が目に付いた。 「あれ?お姉ちゃん?いらっしゃい!また来てくれたんだ!」 「おヤおヤ、豆さンではないでスか。オ久しぶりでスね。」 「うん!初詣の時にあったきりだね!今日はどうしたの?」 「珠実部員ノ持ち出しタ備品を今日コそ返してもらおうト思いましてネ。ところデ、ソの箱は…?」 「あ、これ?この中に内職用の部品が入ってるんだ!今日は休みだから仕事もはかどるよ〜!」 よく見るとそのダンボールには、【青山造花】と大きく書かれていた。 「ほう…部品、でスか…部品だケに、パーッ、と終わらせル訳ですネ?」 「あはははは!やっぱりお姉ちゃんおもしろ〜い!」 (…ウけタ………) またここに来て良かったと思う部長であった。 「・・・?お姉ちゃん?どうしたの?」 「…豆サン…今かラ私ノ家に遊びニ来ませンか?おもてなししまスよ?」 「本当!?…う〜ん、でも私内職があるから…今日中に終わらせないと…」 「…そうでスか、残念でスね…それでハこの話ハまた今度トいう事デ…」 そこに、流れるような黒髪をした女性が。 「朝美を…連れて行かないで…」 「コれはコれは、クズ人間サンではないでスか。」 部長にクズ人間呼ばわりされたこの女性は、休日にも生活の為内職をこなす少女、 《黒崎朝美》の母、《黒崎沙夜子》でありました。 「もう、お母さんってば!今やってるハンカチの包装はどうしたの〜!?」 「…お腹すいた………」 「クッ、やはリクズ人間はいツまで経っテもクズ人間でスね。」 「(ガタガタガタガタ・・・)」 朝美の後ろに隠れる沙夜子。沙夜子さんにとって、部長さんはとっても恐い人のようですね。 「あの、お姉ちゃんごめんなさい…私達内職があるから…また今度一緒に遊ぼう!」 「そウでスか………………………ソれにしテも、ハエははえ〜、と思イませんカ?」 「あはははは!」 屈託のない声で笑う朝美ちゃん。どうやら彼女は天然のようですね。 (…回収は今度にしてマタ来よウ…) とか思っている部長。 「それじゃあ、またねお姉ちゃん!今度絶対に遊びに行くから!」 「御機嫌好ウ…」 その場から立ち去っていった2人。 「サテ、これかラどうしましょウか…」 「…何しに来たんです〜?変態マゾニスト〜」 「アハァァゥン!」 ・・・部長さんがついに壊れてしまいましたか? 「モット…モットイってくだサい、珠実部員…!」 「…やっぱりこの人にだけはついていけないです〜…」 会った途端に暴言を吐き散らしたのは、部長と同じオカルト研究部のユーレイ部員、《茶ノ畑珠実》。 「一体何の用です〜?部長〜」 「ハア・・・ハア・・・ソうでした、本当は備品ノ回収に訪レタのでスが…持っテ帰ッテしまったラ、 もウここに来ル口実が無くなっテしまいまスね…ト、言う訳デ、貴女に用ハありまセんよ、珠実部員。」 「…部長は本当に暇人ですねぇ〜…どうです?年も明けた事ですし、彼氏の1人くらい作ってみては〜?」 「…前にモ言っタようニ、私にはそうイうものは必要無イのでスよ? 私ハ今、こノ時を、充実しタ生活を送っテいるのでスから。」 「そうですか〜、つまらないですねぇ〜… ここにも白鳥とかいうムッツリスケベさんがいるですよ〜?彼なんかどうですか〜?」 「あア、アのタマなしさんでスか。あんなのハ私ノ方かラ願い下ゲでスよ。」 「ちぇ〜、部長が奪ってくれれば梢ちゃんがフリーになれたのですが〜…」 「…君達、そういうのは本人がいないところで言った方がいいと思うよ…?」 「絶妙なタイミングであらわれましたね〜」 2人にむちゃくちゃに言われていたのは《白鳥隆士》。皆のアイドル?と付き合っているとっても幸せな男の子です。 「そりゃあ、さっきから大声で色々言われてたからね…;;」 「噂ヲすればタマなしさん、色々ト苦労なされテいるようでスね?私ノ占いは役ニ立っタでしょうカ?」 「う〜ん、見事に当たりすぎて恐いくらいだよ…それより、また何か用でも?」 「イエ、本当は備品の回収ニ来たのでスが、今持っテいってもしかたナいでスから、また今度ニ…」 「さっさと持って帰って二度ここへは来ないでもらいたいんですけどね〜」 「もトもト持ち出しタのは貴女デスよ?珠美部員?」 「…久しぶりにやるですか〜?」 「長キ戦イに決着をつけル時が来たようデスね…出デよアスモデ!」 「部長、覚悟です〜出でよガルノフ〜!」 「……………僕、画材道具買ってこないといけないんだけど…」 2人の壮絶な戦いの中、1人取り残された白鳥!さて、この勝負の行く末は!?