---- 内職 ---- 「ん〜今月も赤字か・・・」 私の名前は黒崎朝美、中学生2年生 ごくごく普通の14歳 家がちょっぴり貧乏だけど、大好きなお母さんと鳴滝荘の皆に囲まれて とっても楽しい毎日を送っています でも、下校途中目の前の紙を見つめ、ちょっぴり落ちこんでいます それは真っ赤な字で埋まっている家計簿・・・ 貧乏である事はいやじゃないけど、現実問題これでは生活ができない 大家さんである梢お姉ちゃんの計らいで家賃もずっと待ってもらっているし ほかの皆にも指し入れをもらったり、内職を手伝ってもらっている 皆はいいと言うが、これ以上甘える訳にはいけない もっと稼げるバイトをするべきなのだが、 中学生時分では雇ってもらえる所などほとんどないうえに 家事もしなくてはならず、時間もとれない自分には必然的に内職しかなくないわけだ たしかに、内職も数をこなせばそれなりの金額にはなるが、それにも限界がある ・・・・・どうしよう・・・・・・・ もっと稼げる内職は無いかな・・・・ そんな事を考えているうちに鳴滝荘についちゃった 「ダメダメ、暗い顔してたら皆に心配かけちゃうよ」 そんな事を呟きながら部屋へ向おうとすると不意に呼びとめられた 「朝美ちゃん、おかえり」 「あっ、お兄ちゃんただいま」 この人は、鳴滝荘の住人の1人白鳥隆士お兄ちゃん 困った時にいつも助けてくれる、とっても優しい人です 「朝美ちゃん?どうかしたの、なにかあったの?」 「えっ?どうして」 「だって、さっきなんか暗い顔してたから・・・」 お兄ちゃんの視線が私の胸のあたりで止まった あっ! 手にはまだ家計簿をもったままだったのだ すぐさま後ろに隠すが、しっかりと見られてしまった・・・ 「あの、朝美ちゃん・・・ひょっとして今月も」 お兄ちゃんが心配そうに見つめてくる 「あっ・・・うん。でも、大丈夫だよ。もっともっと内職がんばるから!」 「ねぇ、朝美ちゃん」 「ん?」 「実は僕、とっても儲かる内職を教えてもらったんだけど朝美ちゃんやってみない?」 「えっ?」 「朝美ちゃんならきっと出来ると思うんだ」 「でも、それはお兄ちゃんが見つけて来たのにいいの?」 「うん。そんな遠慮しなくていいよ。どうせ僕には出来ない仕事だし」 「そんなに難しいの?私に出来るかな??」 「大丈夫だよ、そんなに難しい事じゃないし、朝美ちゃんならきっと出来るさ」 「本当にいいの?お兄ちゃん」 「もちろん」 「うん。じゃあ私やってみる!」 「よかった。じゃあ早速僕の部屋に来て」 「わかった。とりあえずお母さんに一言言っておくね」 そう言って、部屋へ向かおうとした私の腕が掴まれた 「えっ、なにお兄ちゃん?」 「・・・えっと、沙夜子さんならさっき、桃乃さん達と買物に行ったよ」 「えっ?でもさっき靴があったような?」 「ああ、沙夜子さんてば間違えて梢ちゃんの靴を履いて行っちゃったみたい」 ??たしかにお母さんならそれぐらいやりかねないが、なにか引っ掛かる 「それにちょっと急ぐからすぐ来て欲しいんだ」 「うん・・・わかった」 私が翻し、お兄ちゃんの部屋へ向かった時 お兄ちゃんの笑顔が一瞬歪んだように見えた 「さっ、入って朝美ちゃん」 「おじゃまします・・・」 部屋はまだ明るいと言うのにカーテンが閉め切ってあった 「お兄ちゃん駄目だよ。まだ明るいのに電気なんてつふぐぐぐぐぐぐっぐぐ」 突然口に何かが押し当てられた そのまま猿轡をされ、手足も何かで縛られてしまった 突然の事に何があったのかわからず、頭がぐるぐる回っている すると私は仰向けに倒された そこで目にしたのは、まるで別人のような歪んだ笑顔を浮かべたお兄ちゃんと 同じような笑顔を浮かべていた男の人・・・たしかお兄ちゃんのお友達・・・ 「ふんんんんんんふんんふん」 「なに言ってるか解らないよ、朝美ちゃん」 「ふおふんんんんん」 「なんでこんな事をするのかって?」 私はこくこくと頷く 「それは、さっきいったじゃないか。内職だって」 「????」 私は訳がわからずお兄ちゃんを見上げていると 「だ・か・ら、朝美ちゃんの恥かしー写真を撮ってそれを売るんだよ」 「そうそう、朝美ちゃんのあんな姿やこんな姿を」 ニヤニヤ笑いながら2人が私を舐めるように見る 私は自分の顔から血の気が引くのを感じた なんでお兄ちゃんがそんなことをするのかまったく理解できなかったが これから、自分がなにをされるのかは理解することができた 「ん?どうしたの朝美ちゃん。真っ青な顔して?」 お兄ちゃんがクスクス笑いながら私に近づいてくる 「大丈夫だって。朝美ちゃんは可愛いからとっても高く売れるよ」 そう言って、お兄ちゃんの手が私へ伸びてくる・・・