「白鳥さん、暇です〜?」  夕方の5時をすぎ、専門学校から帰って来た僕を玄関で迎えてくれたのは、何故か珠美ちゃんだった。 「ぁ。ぃゃ、今日はこれから課題でもやろうかと…」  何か嫌な予感がしたので、とっさにそう言ってしまったが嘘ではない。 確かに課題はあるが10分ほどで終わるようなものだった。 「あらあらです〜。困りましたです〜」  そう言って珠美ちゃんはいつものように現像した写真をポケットから取り出そうとしたが、 僕の溜め息混じりの言葉を聞いてそれをやめた。 「……わかったよ。何を手伝えばいいのかな?」 「さすが白鳥さんです〜。実は梢ちゃんが学校で行方不明になってしまいまして〜」 「ええっ!?」 「たぶん人格が変わってしまったんだと思うんですけど、魚子ちゃんになってたりしたら危なくって〜」  確かに早紀ちゃんや棗ちゃんなら一人でも鳴滝荘に帰ってこれそうだけど、魚子ちゃんだと危なそうだ。 「そういうわけで白鳥さんも一緒に探してもらいたいんです〜」 「うん。──行こう」  1時間後 「ふがふがふぅー」  怪しげな部室で猿ぐつわをされ、縛られた僕の声が虚しく響く。 「エロイムエッサイムー。ヨくヤリまシタね珠美部員」 「白鳥さんごめんなさいです〜。この陰鬱ゾンビがどうしても生け贄が欲しいって訊かないんです〜」  僕は口を一生懸命動かして猿ぐつわを外して言った。 「た、珠美ちゃん! もしかして騙したの!?」 「本当にごめんなさいです〜。たぶん部長も1時間くらいで飽きるからそれまでがんばですー」  そう言って珠美ちゃんは、部室の出口のほうへとスタスタと歩いて行ってしまった。 「おや、珠美部員はサバトに参加なさらナいのデスか?」 「部長のお遊びには付き合ってられないです〜」  珠美ちゃんは ̄△ ̄な顔をしながらドアの外へと出て行ってしまった。 「まァ、今回ハ生け贄ヲ連レてキテくれたコトでヨしとしマスか」  僕は縛られた縄を外そうとジタバタしたけど、固くて全然外れなかった。 「アらアら、タマナシさんハ生キが良いデスね」 「人にこんなことをしたらダメだよ。早く外してよ!」 「その通りデスね。デハ始めましョうか」  あぁ、この人は本当に人の話を聞かない人だ……。  そんなことを考えていると、部長はどこからか試験管を取り出した。 「な、何をするの?」 「魔術ノ調合薬の材料を採取するのデスよ」  そう言うと、こともあろうに部長は僕のズボンとパンツを脱がし始めた。 「うわあああぁぁぁぁ!!」  部長はそのまま試験管の先を僕のあそこにちょんっとくっつけた。 「サァ、ここにアなタの精液を入れて下サい」 「で、出るわけないよ! 何を考えているんですか!?」 「おや、発達した男性はスベからく精液が出るんデスよ。マさかあなた本当にタマなしなのデスか?」  部長がタマなしの意味を把握していたことに少し驚いたが、 僕にとっては下半身丸だしのこの状況を何とかしたい。 「タマはあるけどそんな簡単に出るもんじゃないよ! わかったら早く縄をほどいて!」 「ふぅ……。仕方ありマせんネ」  ようやく理解してくれたのかと思ったけど──、試験管を机に置いただけで、 縄をほどいてくれる気配は微塵もなかった。 「デハ、魔術書の通りにいキますか」  そう言うと、部長はその唇をぼくのあそこにあてがった。 「あっ……。女の子がそんなことしちゃダメだって……」 「魔術書に──よルと──こうスルと精液を──採取しやすいト──書いてありマシた」  部長は僕のペニスをゆっくりと舐めながら、途切れ途切れそう答えた。 (あぁ…気持ち良い……) 「ん……くちゅ…はァ…んっァ……」  部長の可愛い声と舐める音が静かな部室に響く。  僕は抵抗するのも忘れ、暫くされるがままにその感覚を感じていた。  20分後 「……なかなか、出まセンね……」  部長はそう言うと、ハンカチで口元を拭いた。 「はぁはぁ……。……もう満足した?」  かなり気持ち良かったけど、さすがにこういうことを続けるのはまずいと思い、 終わる方向へとうながした。 「いえ、マダ魔術書に書いテあった最後の手段が残されていマス」 「えっ……。それって……」  目の前でマントを外し、上着を脱ぎ始めた部長を見て僕はこれからのことを予感した。 「ダ、ダメだって! これ以上のことはまずいって!」  部長は僕の言うことを聞かず、するするとスカートまで脱ぎ、下着に手をかけた。 「魔術の調合にはどうシテもタマナシさんの精液が必要なのデス」  やや頬を赤らめながら部長はいそいそと下着を外し、その下の綺麗な胸をさらけ出した。 (……うぁ……着やせするタイプなんだ……) 「って、ダメだよ! 絶対ダメ!」  そうこうするうちに、部長はあお向けの僕に騎乗位で乗っかるような体制をとった。 「では──いきマスよ」  ゆっくりと腰を落とした部長のあそこにずぶずぶと僕のペニスが飲みこまれていく。 「ぅあはぁ…っ…」  部長の甘い声がこの部屋に響き、僕達は根元までとうとう繋がってしまった。 さっき舐められた時も気持ち良かったが、今度の感覚は今までに感じたことのないくらいの快感だった。 「では…ぁん……動きマスよ…」  彼女はそう言い、ゆっくりと上下に腰を動かした。 「あっ。うぁ。ダメだって。こういうことは愛し合う人達じゃないとしちゃいけないんだって!」  快楽に負けそうになる僕は理性を振り絞ってそう言った。 「なら──ぁん……今いっとき私とアなタは愛し合えばヨイでしょウ……」  そう言いつつも、部長は顔を赤らめ興奮した感じで腰を動かし続ける。 「…それに…んァっ…占いの時はああ言いマシたが── ぁ…アなタのこと嫌いなら……こんなコトはイたしマセんよ…んぁっ……」  そう応えた彼女は何故か恥ずかしそうだった。 (うぁ……。なんか可愛い……かも……)  それからも彼女は何度も何度も腰を動かし、数分が経過した。 「コノ感覚は……はぁはぁ……ナジられる時のヨうナ快感に匹敵しまスね。……あぁんっ」  数十分と舐められ、そして今絞めつけられている僕のあそこはすでに限界を迎えつつあった。 「うっ、ダメ──。……イキそう……。このままじゃ……どいてっ…!」 「…ァん…っ私も、なんだかイってしまいソウです…」 「って、…んぁ……本当にどういてくれなきゃっって…… …あああぁっ…………!」  腰を上下に動かし続けていた部長の体が根元まで下がった時、 僕はたまらず彼女の一番深いところで出してしまった……。  それと同時に部長も小さく痙攣すると、操り糸の切れた人形のように僕の上にパタリと倒れこんだ。 「…ぁ…ゥ…ぁはァ…はぁ……」  大きく呼吸する部長の可愛い唇が、僕の近くに覗かせる。 (あぁ……僕、この子と……)  夢のような快感から少し覚めると、僕は縛られていた縄がほどけかかっているのに気づいた。  僕はそれをすぐにほどくと、部長と繋がったまま彼女を持ち上げ、位置を入れ替えて上になった。 心に何か黒いものがよぎり、それを抑えつけることができなかった……。 「……ぁァん……。何をナさるのデスか……」  僕はそれに応えず、思うが侭に腰を動かし部長の唇に自分の唇を重ねた。 胸を舐め、首を舐め、そしてまた唇にキスをした。 「……ぁんっ……。ソんナにされルと……また私……アぁん……」  彼女の言葉に耳を傾けず、僕は本能のままに腰を振りつづけ、二回目の絶頂を彼女の中で迎えた。  そして僕はそのまま軽く意識を失った。  数分してからだろうか、僕は何か気配を感じハっと横を見た。 「あらあらです〜。女子高の校内を一人で帰るのは可愛そうだと思って待っててさしあげたのですが、 まさか白鳥さんが部長を襲ってるだなんて夢にも思わなかったです〜」  パシャパシャとデジカメのフラッシュの音を立て、そこには珠美ちゃんが佇んでいた。  僕はさきほどの姿勢のまま、部長と繋がったままでいたのだ。 「……あら珠美部員。イツのまニ……」 「ち、違うよ。珠美ちゃん! こ、これは、最初に部長さんに襲われて……」 「言い訳は必要ないですよ〜。白鳥さんが部長を引きとってくれるのなら、 こっちは願ったりです〜。2ラウンドでも3ラウンドでもお楽しみくださいー」  それだけ言うと、珠美ちゃんは嬉しそうに部室のドアを閉めながら出ていってしまった。 (あぁ、今度はすごい写真撮られてしまった……どうなるんだろう……) 「……つらイのデスか……?」  僕と繋がったままの部長が、そう小さくつぶやいた。 「えっ」  部長は手を伸ばし、僕の背中に手を回してそっと引き寄せた。 「つらイのなら少しの間忘れてシマいましょう。二人でナら──きっと忘れるコトができマス──」  今度は彼女のほうからキスをしてきて、僕もそれに応えて彼女を抱きしめた。 終