ベッドの上で腕の中の十六夜の暖かさ、柔らかい手触りそれらを存分に味わいながら、
ジェンドは「抱く」ということはとても気持ちがいいものだとしみじみと思った。
「んっ・・・ひぃ!」
もちろんジェンドは十六夜をただ抱きしめているわけではなかった。
耳朶を甘噛し、首筋に唇を這わせ、さらには十六夜のモノの付け根を掴み
射精する事が出来ないようにしながら、僅かな手の力加減でそれを揉み、さする。

それらの愛撫のたびに十六夜はビクビクとジェンドの腕の中で震え、声をあげる。
その感覚が実に心地よく、さらにジェンドは行為に熱中していく。
「ふぁ!ジェンドぉ・・・もお許して・・・僕おかしくなっちゃうよ」
目に涙を溜めながら十六夜が訴えてくるが、今のジェンドにはそれも情欲を煽るだけだ。
十六夜の言葉に答える代わりに、ジェンドは十六夜のモノの先に爪を軽く立てる。
「ひぎっ!」
電流が流れたように十六夜が跳ねる。その反応に満足しながら、
ジェンドはさらに十六夜が反応する方法を探して、手の動きを再開する。
六夜の喘ぎ声とギシギシと軋むベッドの音が暗い部屋を支配する。

どれだけ愛撫したのかジェンドにも分からなくなってきたころ、十六夜が口を開く。
「ジェンド・・・お願い」
とっくに限界を超えていたのだろう。ガクガクと体を揺すりながら涙を流す十六夜に、
ジェンドの心も冷静さを取り戻してくる。これ以上は本当に十六夜を壊しかねない。
少しそうなってもいいような気がしたが、さすがに思いとどまる。
「十六夜、いくぞ」
「んぁあああぁあ!」
掴んでいた手を離した瞬間、十六夜は今までで一番大きく跳ね、果てる。
そのまま崩れ落ちそうになる体をしっかりと抱きしめながら、
ジェンドは脱力した体というのはひどく重いものだと場違いな事を考えていた。