「服、脱いでよ?」
だらしなく椅子に座ったカイは、顎でジェンドに指図する。にやにやと笑う顔を見るたびに、殴りたくなる。
いつまでも躊躇っているジェンドにカイは挑発の言葉を投げた。
「・・・淫乱のくせして、何今さら恥ずかしがってんの」
含み笑いを浮かべるカイの方を見ないようにして、ジェンドはゆっくりと服に手をかけた。まるでスローモーション再生しているかのような速度だった。
「ほら、早く」
あくまでカイは手を出さない。どうやらジェンドのストリップを楽しみたいらしかった。
生まれたままの姿に近付いていくジェンドを視姦するカイの表情は、完璧に歪んでいた。
「・・・脱いだぞ」
「初めてでもないのに照れてる辺りがジェンドらしいな」
そう言われたのが悔しくて、ジェンドは下を向く。
「んー・・・これからどうしよっかな。じゃ、とりあえずこっち来てよ」
言われたとおり渋々歩いていく。途中、大事なところを隠す手をどかすように指示された。
椅子に座ったままのカイは強くジェンドの腕を掴んで跪かせてフェラの体勢にもっていかせた。少し躊躇ったものの、ジェンドはそれを奥まで咥え込んだ。
少しカーブの入ったそれを丹念に舐め上げる。カイが小さく囁いた。
「やっぱりジェンドは淫乱だね・・・」
カイのモノの大きさと、怒りと悔しさが入り乱れた感情が比例していく。ジェンドがカイの性処理人形になり下がったのは、あの夜のことから・・・

三ヶ月くらい前の晩、カイは真夜中に物音で目を覚ました。規則的に聞こえるぎしっぎしっという何かが軋む音が自分のすぐ近くで聞こえたのだった。
ダブルベッドにカイとジェンドと十六夜で、ぎゅうぎゅうになって川の字で寝ていた。
衣擦れの音すら立てないようにカイは暗闇の中起き上がり闇に慣れない目で辺りを見渡した。音源は十六夜と挟んでジェンドの方からだった。
荒い息遣いも聞こえてくる。まさか、とカイは目を擦ってジェンドを見下ろす。
下着に手を入れて両足をすり合わせて喘ぐジェンドの姿がそこにあった。ジェンドの右手は激しく自らの秘部をまさぐっていた。
ジェンドに限ってまさかな、と思っていたのが打ち砕かれた。
固く目を閉じてジェンドはカイに気付かずに自慰に耽っている。カイの中で何かがはじけ、わざと衣擦れの音を立てて十六夜を跨いだ。
「えっ・・・」
凍りつくジェンドの表情には目もくれずに、カイはそのままジェンドを犯した。ジェンドの初体験を奪い、自らのモノを血で汚した。
その晩から、自慰を罪だと思っていたジェンドはカイに弱みを握られることになったのだった。