事の起こりはいつものシオンのワガママ始まった。

「ウリック、高貴な俺様はそろそろ宿屋に泊まりたいゾ!」
「え?でもそんなにお金に余裕があるわけじゃ…」
「いやだい!いやだい!野宿はいやだい!宿屋にとまるんだい!」
シオンがだだっ子のように手足をバタバタさせながら喚く
「うぅ、わかったヨ」
(ああ…またわがまま太郎でちゃったよ〜)


「わぁ、お布団ふかふか〜♪」
布団の上でぱたぱたしながらウリックがはしゃぐ。
「うむ、料金の割には意外にいい部屋だ。これなら二人で寝れるナ」
「えぇ!?もしかして一緒に寝るの??」
「男同士なんだからべつに問題ないだろ」
「うぅ…そうだけど」
「それに路銀は節約しないといけないからナ」

そして夜になった

「おいウリックそろそろ寝ようか」
「ボ、ボクはやっぱり床で寝るよ」
「床で寝ると腰を痛めるぞ、このベットは二人くらい寝れるから心配するナ」
「うぅ〜〜」

結局、二人で寝ることになったのだが、
ウリックは気が気ではなく、とても眠れる状態ではなかった。
(どうしよう…ボクが女だってバレたらシオン、ボクのこと嫌いになるかな)
(でも、やっぱりシオンには言った方がいいのかナ)
(でも、やっぱり嫌われたら嫌だし…)
(でも、う〜〜〜〜〜)
頭の中で堂堂巡りする思いにクラクラしながら、やっと決心する。
(…やっぱり言おう!)

「…ねえシオン起きてる」
「…起きてるぞ」
シオンがムクリと起き上がって答える。
「ちょっと話したいことがあるんだけどいいかな?」
「ああ」

「あのね…え〜と、その、ボク…ほんとは女なの」
「知ってる」
あっさりとした答えが返ってくる。

「えぇ!?どっどっーして知ってるの!?」
「バレバレだったぞ…ホントにバレてないと思ってたのか?」
「じゃあシオン今までずっと気づかないふりしてたの!?」
「その方が面白そうだったからナ」

「なっ、お面白そうって!?」
「同じ部屋で寝たりできるしナ」
ウリックの頭がショートしかかる。

「それに…言わないって事は何か事情があるんだろうしな」
「あ…」
(シオン、ボクのこと気遣ってくれてたんだ)

「ありがと」
「気にするな」
そう言いながら、何故かシオンはウリックを押し倒す。

「え?え?シオン?何?」
「気にするな」

「シオン!冗談は止めてよ!」
「本気だぞ」
「え?」
「それとも俺様のことが嫌いか?」
「え?え?ボク…」
ウリックが何か言おうとした次の瞬間、シオンの唇はウリックの口を塞いでいた。

「ん・・・・・・・っ」

長く優しいキス

「ふはぁ〜〜…」
体を上気させてグッタリと横たわるウリックにシオンが覆い被さる。

シオンは服の中に右手を滑り込ませ、ウリックの胸を弄ぶ。
「あァん…!んん…!」
やわらかい胸の感触を楽しみながらシオンが言う。
「やっぱり胸小さいナ」
「…っ! なっ、なんだよ、ソレ!」
ウリックは顔を真っ赤にして怒鳴る。
「でもキレイだゾ」
ウリックの顔がさらに赤くなる。
喋りながらもシオンの愛撫は休まず、ツンと上を向いた乳首を優しく愛撫する。
「んんっ、んぁっ、ぁっ」
さらに、空いている左手をズボンの中に侵入させる。
「シオンそこはダメ…っ!」
ウリックの言葉を無視して、割れ目を指でなぞる。
「あァん…!んんっ…!」
さらに小さな突起を探り当てると、シオンの指はそれを擦り始めた。
「ひゃん!ん!はぁんっ!」

「そろそろ入れるぞ」
そう言うとシオンはズボンを下着ごと脱がせ、
ウリックの中に指をゆっくり進入させる。
そこは既に湿っており、シオンの指が中に出入りするたびに水音が漏れる。
ちゅぷ…ちゅぶ……
「んぁ!あァ!!」
ウリックの体がビクリと跳ねる。
シオンは首筋にキスをしながら、更に勢いよく指を出し入れする。
ぐちゅ…ぐちゅ…くぢゅ…
「ふぁぁぁぁッ!シオン!ボク変になっちゃう!」
ウリックが初めての快感に、戸惑いながら酔っていると突然愛撫が止む。
「シオン…?」
「どうして欲しい?」
「え?」
「こういうときにはどうして欲しいか言うものだゾ」
「うう〜〜シオンそうやってまたボクをいじめる〜」

「で、どうなんだ?」
「…ボク…その、シオンともっと…」
そこまでが限界で真っ赤になって押し黙る。
「ウリック…」
震えるウリックの体を抱きしめ、優しくキスをする。
「いいんだな?」
ウリックはもう何も言えず、手で顔を隠してうなずく。
「…いくぞ」
シオンは自身を一気に突き入れた。
「いたっあああーーっ!!あああんっ!!!!」
体を貫かれるような衝撃に、
ウリックは悲鳴を上げながらシオンに無我夢中で抱きつく。
「ウリック!大丈夫か!?」
「シオン!シオンッ!シオンッンンン!!!」
シオンに抱きつき涙を浮かべながらウリックが叫ぶ。
「うあぁっ!!あんっ!あう!はんっっ!!」

シオンは左手でウリックを抱きしめながら、右手を胸に這わせようとするが、
その動きにもシオンと繋がったウリックには電撃が走るように感じられた。
「うッ…シオン!!動かないでッ!!」
しばらくの間、荒い息づかいだけが聞こえる時間が過ぎ、
ついに痺れを切らした、シオンが口を開いた。
「そろそろ動くぞ」
それだけ言うと返事を待たず腰を小さく揺すり始める。
結合部からは今までより更に激しい水音が響く。
ぐっちゃ…くっちゃ…ぐちゅ…
「うっ、ウリック…すごいぞ」
「あうッ、駄目!!ボク…んぁッ!!!」
ウリックの声に興奮しながら、シオンは更に激しく腰を揺する。
「はぁぅ!なにか奥までっ…きてるよ!!あぁ!シオンッ」
「ウリック!いくぞ!!」
「シオン!!!あぁあッああぁああ!!!!!!」

ウリックの体が跳ね、そしてグッタリと脱力する。
シオンはその体を優しく抱きしめベットに寝かせた。

次の日、昼過ぎに二人は起きた。
シーツに付いた血の跡を見ると、さすがにシオンは罪悪感を覚えた。

「昨日の事は…その、悪かったナ」
「大丈夫だよ!ボクは元気だよ!」
「いや、…お前、初めてだったんだろ?」
「ボク、シオンのこと大好きだもん♪」

「…お前ってホッンットにお気楽なやつだナ」
ウリックの頭をなでながらシオンが嘆息する。
「え〜何でだよう?」

二人は幸せそうに宿屋を出て行った。

(そしてレムは出るタイミングを逃して、物陰で泣いていた)


                           おしまい