「なんだよシオン、また?重たいよぉ…」
「いいじゃねーか!ほら!」
「僕だって疲れるんだよ?シオンはまだ軽いからいいけど…」
「うるさいうるさい、俺様は疲れたんだ!もう歩くなんていやだぃいやだい!」
「わかったから、もぉぉ背中で暴れないでよぉ!」


最近のシオンと言ったらこうだった。
暇が出来たらアドビスの街へ僕を誘って、しまいには疲れたと言って僕の背中におぶさるのだ。
結構目立つし恥ずかしいんだけどなぁ…。


「もうシオン、こんなことになるならもう街来ないよ?」
「な、なに言ってんだ!俺様が遊びたいから遊ぶ、疲れたからおぶってもらう…何が悪いっ!」
「もお、僕だって恥ずかしいんだよ?!」
僕が怒鳴り込むと、暴れていたシオンは黙り込み、変装の仮面を直し、小さく咳払いをして…ぼそっとつぶやいた。
「…うるさぃ、こうでもしないと…抱きつけないじゃないか。」
僕ははっとして、その瞬間かぁっと顔が熱くなるのを感じた。
「お城だとばあやがうるさいだろ。。」

僕はちらっと背中のシオンを見ると、仮面からのぞく顔が真っ赤に染まっていた。

「…シオンの馬鹿。」

そういいながら僕は進路を変えて、少し遠回りの帰り道を歩きだしたのだった。