「案外簡単に捕まった物ですね……」
金色の眸の男は言った。奇怪な仮面、そこからは何の感情もない眼差しがどこまでも遠くへと濯がれていた。
――最果ての北の大陸、イールズオーブァの居城である。一見様式美からはそれているともとれる建築ではあるがそれは彼の理には適っていた。その一室、牢獄などではない、そのような闖入者などかれは予測していなかった。

遡ること数日。十六夜は「女」に拐かされた。解放の条件はただひとつ。金色の目の男の条件を呑みかれの居城に赴くことである。無論迎えは出る。
「あなたがたがどれだけ苦労してこの少年を連れ戻そうと努力するかと思っていましたが……あっけなくここにやってくるとはね」
「俺達をどうするつもりだ? 殺すことだって簡単なんだろう」
 カイとジェンドはイールズオーブァの作り出した(あるいは古代の?)力のようなもので身体の自由を奪われていた。
「そう、カイとか言いましたね、正直あなたにはあまり興味はないんですよ」
くくく……と乾いた笑い声を立てた。
「フン、変態が私たちをどーするつもりだ……万が一、十六夜になにかあったら……!」
「そう、そちらのダークエルフ、あなたに興味がありますよ」と、イールは指をぱちんと鳴らした。

そこには目を背けたくなるような光景があった。
十六夜は縛られ、背後からはかれが魔力で作り出した異形のものに犯され、幼い性器は怒張し、先からは白い物がこぼれ落ちていた。
おそらくこれが初めてだったのだろう。またそれを「女」たちが貪欲にすすり上げており、十六夜は羞恥と快感からすすり泣くような声を上げていた。
「どうです?」
「!! っててっめえ! イールズオーブァ!」
カイは激高して叫んだ。無理もない、年端もいかない子供のこんな醜態を見てしまっては。
「……カイぃ、ジェンドぉ……みないでぇ、ボク、あたまおかしくなっちゃったのかなあ」
やっとのことでそれだけ言うと、十六夜は快感へとまた耽溺していった。
ジェンドは正視に耐えられず目を背けた。
「……十六夜っ、絶対助けてやるからなっ」
「ッククク……美しいものです、ここまで虐げられてね」と、イールはカイに向き直った。
「そうそう邪魔者には引っ込んでいて貰いましょう」
指先から電撃が奔る。
「ぐはっ」
それに貫かれカイは失神した。
「カイ!」
ジェンドはイールを睥睨した。
「カイにまでなにか……」
「おっと、寝ていて貰うだけですよ、それにわたしが興味があるのは貴方だと言ったでしょう、そう……」
と、イールは指先でジェンドの腿をさする。
「本心ではあなたもあの少年のように犯されて理性を無くしたい、そう思っているのではないですか?」
「な、何を……」
「その証拠にそう」
イールはジェンドの秘所をズボン越しに触れる。
「あなたのここ、湿ってるじゃないですか?」